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契約前に知りたい「バーチャルオフィス デメリット」現場目線の注意点

ビジネスポート 統括マネージャ― 斎藤陽子公開更新
契約前に知りたい「バーチャルオフィス デメリット」現場目線の注意点
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デメリットは「施設のタイプ」で大きく変わる

バーチャルオフィスと一口に言っても、実は中身は大きく2タイプに分かれます

ひとつは、住所表記だけを提供する「住所貸し型」です。受付スタッフはおらず、来客対応もありません。月額数百円〜2千円程度という格安価格が特徴です。

主なデメリットは、次のようなものです。

◆バーチャルオフィスの「住所貸し型」の主なデメリット

デメリット① 銀行口座の開設ハードルが上がることがある。
デメリット② 「銀行口座開設サポート」「提携」などの表記に注意が必要。
デメリット③ 普段、その場所に人がいない。
デメリット④ 郵便物の受け取りに時差が出る。
デメリット⑤ 来客対応や会議室利用ができない施設もある。


ただし、これらはすべて「バーチャルオフィスだから必ず起きる」というものではありません。どの施設を選ぶかで、かなり変わります。

ふたつめは、受付スタッフが常駐し、来客対応・郵便物の受け取り・会議室利用などができる「受付常駐型」です。

「受付常駐型」のデメリットはコストが高い点です。

ネット上で語られる「バーチャルオフィスのデメリット」の多くは、実は前者の「住所貸し型」に集中しています。後者の受付常駐型を選べば、回避できるものも少なくありません。

この前提を持ったうえで、ひとつずつ見ていきましょう。


デメリット①:銀行口座の開設ハードルが上がることがある

バーチャルオフィスのデメリットとして、もっともよく挙げられるのが「銀行口座が作りにくい」という点です。
これは事実として、知っておいた方がいいです。

近年、地方銀行も大手メガバンクも、バーチャルオフィスの住所での口座開設には慎重になっています。
マネーロンダリングや詐欺などの犯罪対策の観点から、「その住所に、本当に事業の実態があるのか」を、以前より厳しく見るようになりました。実際、犯罪収益移転防止法にもとづく本人確認・実態確認は年々強化されており、金融庁も金融機関に対して口座開設時の実質的支配者や事業実態の確認を求める方針を示しています。バーチャルオフィスの住所そのものが問題というより、こうした業界全体の審査基準の厳格化が背景にあります。

正直なところ、世の中には「バーチャルオフィス=怪しい住所」と見られてしまう空気が、少なからずあると思います
実態のない住所が悪用された事例が報じられることもあり、運営している私自身、「バーチャルというだけで、そういう目で見られているのかもしれないな」と感じることがあります。

だからこそ、利用する側にとって大切なのは、クリーンで、安心して使えるバーチャルオフィスを選ぶことです。
受付があって、誰がいるかわかって、連絡も取れる。そういう施設を選んでおけば、「実態がない怪しい住所」とは見られにくくなります。
これは、銀行に対しても、取引先に対しても、そのまま伝わります。

以前、金融機関の方とお話ししたときに、印象に残っている言葉があります。

「銀行としては、できれば経営者に会いたいんです。良い会社であれば、むしろお金を借りてほしいんです」と。

この言葉に、私はとても納得しました。
銀行は、ただ住所だけを見ているわけではありません。その会社が本当に事業をしているのか、代表者と連絡が取れるのか、お金の流れが見えやすいのか。そうした実態を確認したいのだと思います

実際の事務所や受付があれば、担当者が近くに来たときに立ち寄ることもできますし、顔を合わせて話せれば、関係性も作りやすくなります。
逆に、住所だけを借りていて、その場所に誰もおらず、連絡の取り方も見えにくい場合、金融機関が慎重になるのは自然なことです。

ここは誤解されやすいのですが、「バーチャルオフィスだから口座が作れない」という話ではありません。
受付があり、郵便物や書留を受け取れて、必要に応じて会議室や作業場所を使える施設であれば、単なる住所貸しとは見え方が変わります。
レンタルオフィスの個室のような専用スペースや、登記をしていることも、実態を示す材料になります。

つまり、「バーチャルだから口座が作れない」でも、「実態さえあれば必ず作れる」でもありません。
実態と信頼の両方を、どう示せるか。ここが本質です。


デメリット②:「銀行口座開設サポート」「提携」の表記に注意

格安のバーチャルオフィスの中には、「銀行口座開設サポートあり」「○○銀行と提携」といった表記で安心感を打ち出している施設があります

ここは特に注意が必要なポイントなので、私自身が実際に体験した話としてお伝えします。

正直に言うと、私自身、「同業の施設が銀行と提携しているらしい」という情報を見て、「いいなあ、うちも提携できたらお客様に喜ばれるのに」と思ったことがあります。
同業がやっているのを見れば、うちもやりたいと思うのは、ごく当たり前の発想ですよね。

それで、その提携先とされている銀行に「うちも提携したいのですが」と問い合わせてみたんです。

そうしたら、返ってきた銀行の答えが「その業者と提携している事実はありません」でした。

正直、本当にビックリしました。
あんなに堂々と「銀行と提携」と謳っているのに、提携していないなんて。「そんなことある?」と、声が出るくらい驚いたのを覚えています。

「ホームページに書いてありましたよ」と伝えても、銀行側は「こちらの許可なく勝手に書かれているだけです」と

つまり、ホームページの「提携」「サポート」という言葉が、必ずしも実態を伴っているとは限らないのです。

そもそも銀行口座の開設可否は、最終的にはあくまで銀行側の審査によります。サポートがあっても、開設を保証するものではありませんし、「提携」と記載している業者さんも、銀行側の審査によると記載があります。つまり、それらしい申込みサイトがあっても、通常に申し込んでいるのと変わらないんです。
ただ、ホームページは「提携」も含め、利用者を安心させる方向に書かれがちです。
だからこそ、本当かどうかは、それを管轄しているところ、たとえば銀行に直接確認するのが確実です。

気になる施設があったら、書かれている提携先にぜひご自身で問い合わせてみてください。
私のように、問い合わせて初めてわかることもあります。これは契約前にできる、いちばんの自衛策です。

なお念のためお伝えしておくと、これはあくまで過去に私が金融機関へ問い合わせたときの話です。
状況は変わりますので、今は実際に提携している銀行もあるかもしれません。そこは断定できません。
だからこそ、いちばん確実なのは「自分で銀行に直接確認してみること」だと思います。


デメリット③:普段、その場所に「人がいない」

「人がいるかどうか」は、実は施設タイプによってはっきり分かれます。「受付常駐型」のオフィスであれば、以下の写真のように営業時間は必ず人がいます。

◆受付常駐型のオフィスには必ず人がいる

しかし、「住所貸し型」のオフィスには、このように受付がいることがないことがあります。

これはバーチャルオフィスの本質的なデメリットです。

住所はあっても、あなた自身は普段そこに出勤していません。
そして「住所貸し型」の場合、あなたの代わりに応対してくれる人がいないこともあるのです。
つまり、その場所には「人がいない」のです。

何が起きるかというと、たとえば取引先が住所を頼りに訪ねてきたとき。
応対する人が誰もいないので、「○○さんはいらっしゃいますか?」という会話すら成立しません。来訪した相手は、誰もいない場所を前にして戸惑うことになります。

これは、実はバーチャルオフィスに限った話ではありません。
マンションの一室やペンシルビルを借りて事務所にしている方も、普段その場所にいなければ同じことが起きます。
自分の事務所を構えていても、応対する人がいなければ、訪ねてきた相手にとっては「誰もいない場所」と変わらないのです。
もしその住所がマンションの一室だったりすると、相手はますます不安を感じてしまうかもしれません。

つまり、レンタルオフィスでもバーチャルオフィスでも、ペンシルビルでもマンションの一室でも、本当に大事なのは「応対できる人がいるかどうか」です。

スタッフが常駐していれば、急な来客にも「本日は不在にしております。よろしければお名刺をお預かりします」ときちんと対応できます。
あなたがその場にいなくても応対は成立し、相手に与える印象は大きく変わります。

以前、別のバーチャルオフィスから移転を検討されていた方が、こうおっしゃっていました。「一度受付のある施設を使ったら便利すぎて、受付のないところには戻れない」
普段その場所にいない人ほど、応対してくれる誰かがいることの安心は大きいのだと思います。

普段その場所に出勤していないこと自体は、バーチャルオフィスの仕組み上、変えられません。
でも、「来客があったときに応対できる人がいる場所か」は、施設選びで変えられます。


デメリット④:郵便物の受け取りに時差が出る(が、誤解も多い)

郵便物についても、施設タイプで扱いが変わります。「住所貸し型」のバーチャルオフィスの場合は、ほとんど「郵便物の転送サービス」が付いています。中には直接受取タイプのオフィスもあるようですが、無料・有料にかかわらず、何らかの形で郵便対応のサービス自体は用意されていることがほとんどです。

そのため、「バーチャルオフィスは郵便物の到着が遅い」というデメリットもよく語られます。

正直にお伝えすると、転送のぶん、自宅や手元に届くまでに数日の時差は出ます。これはバーチャルオフィスの仕組み上、どうしても発生します。
ただし、「到着が遅い」のは多くの場合、転送そのものというより、郵便の配送にかかる時間の問題です。
私たちが運営している現場でも、転送のスピードについてお客様から特にクレームをいただいたことはありません。

それでも急ぎの書類が心配な方は、施設の郵便対応の中身を確認しておくと安心です。
確認したいのは、転送の頻度、書留や宅配便を受け取ってもらえるか、店舗まで自分で受け取りに行けるか、重要な郵便が届いたときに通知してもらえるか、といった点です。

このあたりは施設によって対応が大きく違うので、デメリットというより「選ぶときの確認ポイント」と捉えるのが正確です。

参考までに、弊施設のビジネスポートが現場でどう対応しているかをお話しします。

◆ビジネスポートの転送サービス


・転送は基本的に週1回なので、郵便物が1週間以上も手元に届かないということがないよう気をつけています。

・稀に、長期休業や祝日が重なって日数が空いてしまいそうなときは、「これは翌日には届いた方がいい」と判断すれば、弊社負担で、対象の方全員の郵便を翌日に届くレターパックライトに切り替えることもあります。

・ご自身で店舗まで取りに来ていただくことも、電話で「どんな郵便が届いていますか」と内容を確認していただくこともできます。



これらは「こうした方が利用者のためになるだろう」と、ビジネスポートとして判断し、全店で対応していることです。

こうした先回りの積み重ねがあるからこそ、ありがたいことに郵便について特にクレームをいただかずに済んでいるのかもしれません。
郵便対応の速さは、仕組みというより、施設がどこまで利用者のことを考えて気を配っているかで変わる部分でもあるのです。


デメリット⑤ :来客対応や会議室利用ができない施設もある。

「住所貸し型」のバーチャルオフィスでは、来客対応や会議室を利用できない場合があります

普段はオンラインで仕事をしていても、事業を続けていく中で、取引先との商談、採用面接、士業(税理士・社労士等)との打ち合わせ、金融機関との面談など、対面で人と会う機会が出てきます。

会議室がなければ、その都度、外部の貸会議室や打ち合わせ場所を探さなければなりません。それって大変ですよね?

また、カフェなど公共の場所では、会話の内容が聞こえてしまう可能性もありますし、そもそも商談に集中することができません。

契約内容や売上、個人情報などを扱う打ち合わせでは、落ち着いて話せる環境かどうかも大切です。

先にご説明したとおり、ホームページや名刺に記載した住所へ取引先が訪ねてきても、「受付対応型」でなければ、受付がなく来客対応を行っていない施設では応対してもらえません。

会議室が併設されていれば、普段は自宅や外出先で仕事をしながら、対面での商談や面談があるときだけ利用することも可能です。

弊施設ビジネスポートでも、普段はほとんど来館されない方が、重要な商談や金融機関との面談のときだけ会議室を利用されています。

毎日使わなくても、「必要なときに使える場所がある」ということが、事業を続けるうえでの安心につながります。

契約前には、単に「会議室あり」と書かれているかだけでなく、次の点まで確認しておくことをおすすめします。

◆契約前にチェックしておくこと

・来客時に受付スタッフが応対してくれるか
・来客をどのように案内してもらえるか
・会議室の利用方法や料金はどうなっているか
・土日や夜間も利用できるか
・金融機関との面談場所として使えるか

バーチャルオフィスは、住所を借りるだけのサービスと思われがちです。しかし、事業が成長していけば、対面で人と会う機会も少しずつ増えていきます。

相手はクライアントだけとは限りません。税理士や行政書士などの士業、取引業者、金融機関の担当者と打ち合わせをする場面も考えられます。

契約時には「来客対応や会議室は必要ない」と思っていても、事業の将来を考えると、受付対応ができるか、打ち合わせに使える会議室があるかは、見落とさない方がよいポイントです。


バーチャルオフィスのメリット

ここまでデメリットを並べてきましたが、デメリットの裏側には、ちゃんとメリットがあります。

まず、どのバーチャルオフィスでも得られる基本のメリットとして、自宅住所を公開しなくて済みます。
法人登記やネットショップの特定商取引法に基づく表記に自宅住所を載せずに済むので、プライバシーとセキュリティを守れます

また、仕事の郵便物が自宅に直接届かないこともメリットです。事業用の郵便を自宅と分けて管理できます

さらに、受付常駐型や会議室のある施設であれば、もう少し実務的なメリットもあります。
貸会議室があれば、「弊社オフィスで打ち合わせしましょう」と言えます。打ち合わせ場所に一つ困らないだけで、商談はずいぶん進めやすくなります。

登記もして、受付も会議室もある住所だからこそ、堂々と「オフィスがあります」と名刺やホームページに表記できます
これは住所だけを借りた架空のオフィスではなく、来客対応も書類の受け取りもできる、機能の実態がある住所だからこそ言えることです。

ここが第2章でお伝えした「実態と信頼」の話とつながります。
実態のある住所は、銀行に対しても、取引先に対しても、購入者に対しても、そのまま信頼につながっていきます。


デメリットを避けるための、施設の選び方チェックリスト

バーチャルオフィスのデメリットの多くは、施設選びで避けられます。
契約前に、次の点を確認してみてください。

◆施設の選び方チェックリスト

✅受付スタッフが常駐しているか。
✅来客対応をしてもらえるか。
✅郵便物の転送頻度と費用はどうか。
✅書留・宅配便を受け取ってもらえるか。
✅店舗で直接受け取ることもできるか。
✅会議室が使えるか。
✅会議室の料金はいくらか。
✅法人登記ができるか。
✅将来レンタルオフィスへステップアップできるか。
✅「銀行口座開設サポート」「提携」などの表記がある場合は、その内容を提携先に自分で確認することも忘れずに。


月額料金の安さだけで選ぶと、いざというときに「誰もいない」「対応してもらえない」という事態になりがちです。
安さと、いざというときの安心。その両方のバランスで選ぶのがおすすめです。


まとめ

バーチャルオフィスのデメリットは、確かに存在します。
銀行口座の開設ハードルが上がること。普段その場所に人がいないこと。郵便物に時差が出ること。

ただ、その多くは「住所を貸すだけの施設」だから起きることであり、受付が常駐し、来客対応・郵便対応・会議室がそろった施設を選べば、かなりの部分を回避できます。

そして銀行口座にしても、取引先からの信頼にしても、本質は同じです。実態があり、お金の流れに風通しがあること。
それが、バーチャルオフィスを安心して使えるかどうかの分かれ目になります。

ビジネスポートでは、幕張・横浜・竹の塚・長野の各拠点で、受付スタッフ常駐・法人登記可・郵便物や書留の受け取り・来客対応・貸会議室を備えたバーチャルオフィスを提供しています。
郵便物は週1回の転送に対応し、受付が常駐しているので店舗での受け取りも可能です。住所だけを借りる施設ではなく、実態のある住所として使っていただけます。

これから起業してバーチャルオフィスを検討している方は、自分の事業ステージに合った選び方を、こちらの記事でも解説しています。

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バーチャルオフィスのデメリットが気になる方ほど、一度、受付のある施設を実際に見てみることをおすすめします。
まずはお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

斎藤陽子|ビジネスポート統括マネージャー

ビジネスポートの開設当初から運営に携わり、現場経験は20年以上。バーチャルオフィスの導入や料金体系の再設計により、年間約1,000万円の赤字を抱えていた施設を黒字化し、幕張拠点を約450坪の規模まで拡大してきました。

現在は、幕張・横浜・竹の塚・長野の4拠点を統括。施設運営をはじめ、サービスや料金体系の設計、空間デザイン、内装・家具の選定、収益計画まで一貫して担当しています。

日々寄せられる契約相談や、郵便物・来客への対応など、サービスオフィスの現場で培ってきた経験をもとに執筆しています。

参考資料

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執筆者について

ビジネスポート 統括マネージャ― 斎藤陽子

編集部

ビジネスポートは1995年の設立以来、20年以上にわたりレンタルオフィス事業を展開しています。現場で培った豊富な経験と専門知識を基に、ビジネスに役立つ信頼性の高い情報を発信します。

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