会社設立に「住所」が必要な理由

会社を設立する際には、登記申請書に「本店所在地」を記載する必要があります。
これは、法的に会社の“拠点”を明確にするためです。
登記住所は、次のような場面で繰り返し使われます。
- 税務署・社会保険の届け出
- 銀行口座開設
- 取引先との契約書記載
- ホームページ・名刺・請求書などへの表記
つまり、登記住所は会社の「顔」ともいえる存在です。
1. 自宅を登記住所にするとどうなる?

「自宅で登記すれば費用もかからないし便利」と考える方も多いですが、
実は注意すべき点がいくつかあります。
① プライバシーが守れない
登記住所は登記簿謄本やインターネット(登記情報提供サービス)で誰でも閲覧できます。
そのため、自宅住所を登録すると、自宅の場所が公に公開されることになります。
家族と同居している場合などは、特に避けたいリスクといえるでしょう。
② 信頼性の面で不利になることも
登記住所は、取引先や金融機関が事業をどう見ているかを判断する大切な要素です。
自宅住所での登記は「事務所を持たない」「実際の事業拠点が見えにくい」と受け取られることがあり、
新しい取引や口座開設の際に、事業内容を丁寧に説明しなければならないケースもあります。
また、銀行は本来、取引先を訪問して事業の状況を確認したり、融資のご提案を行ったりするものです。
その際、自宅が事業拠点の場合は訪問しづらく、結果として対応が限定的になることもあります。
こうした理由からも、実際に来訪対応ができる拠点を持っていることは、信頼を得るうえで大きな安心につながります。
近年では、比較的安価に住所だけを貸し出すバーチャルオフィスも見られますが、
郵便転送や来客対応といった機能がない場合、信頼性の面で不利になることもあります。
また、審査体制が十分でない事業者では、利用者の確認が不十分なまま契約が進み、
同じ住所を利用する他の契約者の中に不適切な事業者が含まれてしまうリスクもあります。
長く安心して使うためには、一定の審査基準を設け、
お客様一人ひとりに丁寧に対応している事業者を選ぶことが大切です。
③ 賃貸物件では登記できない場合がある
マンションなどの賃貸物件では、「事業利用不可」と定められていることも多く、
登記や事業用途で使うと契約違反になる場合があります。
2. 登記住所の主な選択肢

登記に使える住所は、主に次の3つに分けられます。
選択肢 | メリット | デメリット |
|---|
自宅住所 | 費用がかからない | プライバシーや信頼性の問題 |
賃貸オフィス | 信頼性が高い | 初期費用・家賃が高い |
バーチャル/レンタルオフィス | コストと信頼性のバランスが良い | 月額費用など一定のコストが発生する |
この中でも近年注目されているのが、バーチャルオフィスやレンタルオフィスです。
起業初期の固定費を抑えつつ、信頼できる住所を登記に使えるという利点があります。
3. 登記に使える「バーチャルオフィス」「レンタルオフィス」とは

バーチャルオフィス
実際の作業スペースを使わず、住所や郵便受取などの機能だけを利用するサービスです。
リモートワーク中心の事業や、初期コストを抑えたい起業家に向いています。
レンタルオフィス
専用デスクや個室を備えたリアルな作業スペース付きオフィス。
登記住所として使えるだけでなく、来客対応や集中できる環境を求める方にも最適です。
いずれの場合も、「登記可能」であるかどうかを契約前に確認しておくことが重要です。
4. 来客対応スペースを軽視しない

「自分は来客がないから、接客スペースはいらない」と考える方も少なくありません。
しかし、実際に事業が動き出すと、対面で打ち合わせをしたいという場面は意外と多いものです。
商談や採用面談、専門家との打ち合わせなど、
オンラインだけでは伝わりにくい話を“直接会って話す場”があることは、
信頼を築くうえでも大きなプラスになります。
いざという時に、落ち着いた空間で打ち合わせができる環境が整っているかどうか。
カフェやファミレスに頼らず、自分のオフィスとして案内できる場所を持っておくことは、
ビジネスの印象を左右する大切な要素です。
起業の第一歩は「信頼される住所」から

会社を設立するということは、社会に自分のビジネスを正式に示すこと。
その“名刺代わり”となるのが登記住所です。
プライバシーと信頼性、どちらも守れる住所を選び、
安心してビジネスをスタートさせましょう。
ビジネスを育てる拠点としての「ビジネスポート」

ビジネスポートは、レンタル・シェア・バーチャルを融合したフルサービス型オフィスとして、
登記から日々の事業運営まで、柔軟に対応できる環境を整えています。
事業のステージに合わせて、バーチャルオフィスからレンタルオフィスへのスムーズな移行が可能。
さらに、交流会や士業紹介、行政との連携、季節イベントや情報共有の機会など、
“人と情報がつながる”仕組みを通じて、利用者のビジネスを支えています。
幕張・横浜・竹の塚・長野の各拠点では、
それぞれの地域性を生かした働き方を提案しています。
安心できる拠点から、あなたの新しい一歩を始めてみませんか。
▶ 内覧予約はこちら
https://www.mtg-mbp.co.jp/previewform